柳井 勉 先生を偲ぶ


 本学会監事の柳井勉先生(関西福祉科学大学名誉教授)が、2014年11月20日に急逝されました。
 柳井先生は、東京大学教育学部体育学健康教育学科をご卒業になり、兵庫県庁に就職され18年間勤務された後、1978年に大阪教育大学に専任講師として赴任され、助教授、教授に昇格されています。その間、東京大学で保健学博士を取得されました。大阪教育大学を定年退職後は関西福祉科学大学で学部長等の要職に就かれ、退職後は健康ひょうご21県民運動阪神北会議の会長を務めるなど地域の健康教育に尽力されていました。
 兵庫県庁時代は、健康手帳の開発など一貫して健康教育に従事されました。大阪教育大学に赴任されてからは、公衆衛生学、社会医学、特に健康教育や地域保健等の研究・教育・社会貢献に取り組まれ、1991年には日本公衆衛生学会近畿地方会会長賞を受賞されています。また、学会活動にも積極的に参画され、本学会や日本公衆衛生学会、日本学校保健学会、日本健康教育学会など、多くの学会の理事や評議員をお務めになりました。
 本学会においては、1995年〜2010年まで5期15年にわたり理事を務められ、その後2010年から監事を務められておりました。特に1994年に「パーフォマンスと保健行動−健康教育と行動変容の科学−」をテーマに開催された第9回学術大会(大阪)の大会長を務められ、「健康教育から見た保健行動」について基調講演をされました。また、本学会が主催した国際保健医療行動科学会議、近畿で開催された本学会学術大会や近畿支部活動でも要職を担われ、特に近畿支部活動(研究会)では、中川米造初代支部長から引き継ぎ、長らく支部長として多大な貢献をされました。
 柳井先生の几帳面で面倒見のよいお人柄は誰からも信頼され慕われていました。自身のゼミ学生や卒業生はもちろん、中堅、若手の研究者や実践家に対しても、いつも暖かく関わられ、丁寧に導かれていました。先生への深い感謝と敬意をもって、安らかな旅立ちを心よりお祈り申し上げます。

日本保健医療行動科学会 理事一同

<日本保健医療行動科学会雑誌第30巻第1号(2015年6月)より転載>