橋本佐由理 先生を偲ぶ


 本学会理事の橋本佐由理先生(筑波大学大学院准教授)が、2018年7月8日に急逝されました。53歳でした。
 先生は、健康行動科学がご専門で、人々が自分らしく生きることを目指した実践的な研究に尽力されてこられました。「カウンセリング法を取り入れた健康継続行動のための遠隔支援システム開発」、「生活習慣病へのライフキャリア変容型の健康教育法開発」などが研究テーマでした。勤務されていた筑波大学大学院では、多くの学士、修士、博士を輩出されました。また、社会貢献にも力を注がれ、東日本大震災後には、傾聴ボランティア活動で何度も被災地に赴いては、被災された方々の心に寄り添っていらっしゃいました。
 本学会においては、1998年の5期より2018年11期まで、理事をお務めになり、2014年の第29回学術大会(テーマ「ライフサイクルと行動科学−人はどう生まれ、どう生きて、どう死ぬか−」、東京)では、大会長を務められました。資格研修事業(健康行動科学士)や東京支部研究会の活動にも力を注がれ、長きにわたり本学会の発展に尽力されました。毎年の学術大会では、橋本研究室の学生や修了生らが演題を出し、活気に満ちた大会になりました。先生は、いつも明るくユーモアにあふれ、エネルギッシュに活動されていました。「私は、この学会に育ててもらったの。若手の不慣れな学会発表や論文投稿にも、育てる姿勢で温かく応援してくれる、この学会が好き。」と、日ごろから本学会への感謝を口にされ、面倒見のいい本学会の姿勢を、橋本先生ご自身が貫かれていました。残された我々は、橋本先生のご意思を引き継ぎ、次世代の研究者を育て、社会の要請に応えられるような学会であるよう前向きに取り組んでまいりたいと思います。
 先生との早すぎるお別れは本当に残念ですが、先生のご功労に深い感謝と敬意を表しますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。

日本保健医療行動科学会 理事一同

<日本保健医療行動科学会ニュースレター第96号(2018年8月)より転載>